建設業許可とは
元請け下請けを問わず、また、法人個人を問わず、建設工事の完成を請け負う事業者は建設業の許可を取得しなければなりませんしかし、どんな工事でも許可が必要なわけではありません。
次の場合は建設業許可がなくても工事を請け負うことができます。
- 建築一式工事以外の工事
・1件の請負代金が500万円未満の工事 - 建築一式工事で次の物
・1件の請負代金が1500万円未満の工事
・請負代金の金額にかかわらず木造住宅で延べ床面積が150㎡未満の工事
つまり建設業許可取得の必要性は請負代金の額で決まります。
建築一式工事以外の工事500万円以上、建設一式工事なら1500万円以上の工事を行うには建設業許可を取得する必要があり、違反すると建設業法違反となり罰金等のペナルティーが化される場合があります。
建設業許可を取得するために必要な要件
➀ 経営業務の管理責任者が常勤でいること
経営業務の管理責任者のイメージとしては建設業に関する経営経験がある人です。
法人の場合は常勤の取締役等の役員、個人の場合なら事業主、商業登記された支配人のように経営業務を総合的に管理し、執行した経験を以下の期間求められます。
- 許可を受ける業種について、5年以上の法人役員の経験又は個人事業主等の経験があること
- 許可を受ける業種以外の業種に関して、7年以上の法人役員の経験又は個人事業主等の経験があること
- 許可を受けようとする業種について、7年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務を補佐した経験を有すること。
② 専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること
専任技術者とは、許可を得ようとする業務についての専門的な知識や経験を持つ者のことで、その業務に専属的に従事するものです。
建設業許可を取得するには以下のいずれかの要件を満たした専任技術者を営業所ごとに常勤させなければなりません。
- 学歴と実務経験を有するもの :大学・高等専門学校の指定学科卒業後に許可を受けようとする。業種について3年以上、高校の場合、指定学科卒業後5年以上の実務経験を有する
- 実務経験を有するもの:許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験を有する
- 資格を有するもの:許可を受けようとする業種についての資格を有する
③ 請負契約に関して誠実性を有していること
許可を受けようとするものが法人である場合はその法人、役員、支店又は営業所の代表者が、個人である場合は本人又は支配人等が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。
【不正な行為】とは、請負契約の締結又は履行に際しての詐欺・脅迫・横領等法律に違反する行為をいいます。
【不誠実な行為】とは、工事内容・工期等について請負契約に違反する行為をいいます。
建設業法・建築士法・宅地建物取引業法で「不正」又は「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取り消し処分を受けて5年を経過しないもの等は、誠実性のないものとして取り扱われ、許可を受けることはできません。
④ 財産的基礎又は金銭的信用があること
建設業を受けるべき建設業者としての必要最低限の経済的な水準をもとめるもので、許可申請時において次のうちいずれかの要件を備えていること。
- 自己資本の額が500万円以上あること:貸借対照表の純資産合計の額
- 500万以上の資金を調達する能力がを有すること:担保となる不動産を有していること等により、500万円以上の資金について取引金融機関から資金の融資を受けられる能力があること 。自己資本が500万円に満たない場合は、500万円以上の預金残高証明書等(申請直前期)を提出。
⑤ 欠格要件
次のいずれかに該当する場合は許可を受けられません。
- 許可申請書もしくは添付書類の中での重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき
- 法人にあってはその法人の役員、個人の場合はその本人、その他令第3条の使用人(支配人・支店長・営業所長など)が次のような要件に該当しているとき。
- 成年被後見人、被保佐人又は、破産者で復権を得ないもの。
- 不正の手段で許可を受けたことによりその許可を取り消されて5年を経過しないもの
- 居かの取り消しを免れるため廃業の届出をしてから5年経過していないもの
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大きいとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が終了していないもの
- 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行が終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していないもの
- 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団による不正なな行為の防止に関する法律の規定に反し刑法などの一定の罪を犯し、罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していないもの
設業許可を取得するために必要な書類
1 | 建設業許可申請書 | |
2 | 建設業許可申請書別表 | 業種別に作成 |
3 | 直近三年の各営業年度における工事施工金額 | |
4 | 使用人数 | |
5 | 誓約書 | |
6 | 経営業務の管理責任者証明書 | |
7 | 専任技術者証明書 | |
8 | 実務経験証明書 | 専任技術者要件を実務経験にて満たす場合作成 |
9 | 指導監督的実務経験証明書 | 特定建設業で専任技術者が実務経験の場合作成 |
10 | 令第3条に規定する使用人の一覧表 | 複数営業所がある場合に作成 |
11 | 国家資格者・監理技術者一覧表 | 該当者がいない場合は不要 |
12 | 許可申請者の略歴書(役員全員分) | 監査役は不要 |
13 | 令3条に規定する使用人の略歴書 | |
14 | 株主(出資者)調書 | 法人の場合のみ作成 |
15 | 財務諸表(直近1年分) | |
16 | 附属明細表 | 資本金が1億円超、又は貸借対照表の負債合計が200億円以上の株式会社のみ |
17 | 営業の沿革 | |
18 | 所属建設業団体 | |
19 | 健康保険等の加入状況 | 平成24年11月から追加 |
20 | 主要取引先金融機関名 |
確認書類として必要になるもの
1 | 商業登記簿謄本 (履歴事項全部証明書) |
発行後3ヶ月以内のもの。法務局で取得します |
2 | 閉鎖事項全部証明書 (又は閉鎖謄本) |
経営業務の管理責任者の資格を従前の役員経験で証明する場合に必要になります。必要な役員期間を通年で取得します |
3 | 定款の写し(法人のみ) | 記載内容に変更がある場合は、定款変更の議事録等を添付します |
4 | 納税証明書 | 都道府県税事務所又は税務署で取得します |
5 | 住民票 | 経営業務の管理責任者・専任技術者・令第3条の使用人分が必要(発行後3ヶ月以内のもの) |
6 | 印鑑証明書(個人) | 経営業務の管理責任者、専任技術者の証明者が個人である場合に必要 |
7 | 印鑑証明書(会社) | 使用する会社代表印に商号が見て取れない場合に添付 |
8 | 500万円以上の残高証明書 | 資本金額が500万円に満たない場合に添付します |
9 | 健康保険証の写し | 経営業務の管理責任者、専任技術者、令第3条の使用人分が必要となります |
10 | 社会保険関係事項証明書 | 専任技術者の実務経験期間を証明する書類 |
11 | 工事請負契約書、注文書、請求書等 | 経営業務管理責任者及び専任技術者の実務経験を証明する場合に必要。必要期間の通年分を用意 |
12 | 預金通帳 | 11の資料が請求書の場合、支払いを確認するために必要。この他に「発注証明書」が必要になる場合もある |
13 | 確定申告書 | 個人事業主としての経営期間を証明するために必要 |
14 | 専任技術者の資格者免状 | |
15 | 卒業証明書 | 専任技術者が指定学科卒業の場合 |
16 | 営業所の案内図 | 最寄り駅からの略図を添付する |
17 | 営業所の写真 | 営業所入り口、内観、全景の3枚 |
18 | 建物謄本または建物賃貸借契約書の写し | 発行後3ヶ月以内のもの |
申請は自分でできるの?
建設業許可を取得するためには数々の要件をクリアしていなければならず、その要件を満たしているかはすべて書面で証明しなければなりません。
本業に専念して頂くため面倒な書類作成や手続きを一切丸投げしてください。
新規で許可の取得を考えていらっしゃる客様には、ますは要件をみたしているか確認いたします。
また、過去に県庁や同業者の方に相談した結果、経験等が証明できず取得をあきらめている方も、他の方法によって証明することで許可の取得が可能な場合がございます。
まずはお気軽にご相談ください。